
「ガソリンの質ランキング」を見て、どのメーカーのガソリンを選べばよいのか迷っていませんか?
燃費やエンジン性能を考えると、できるだけガソリンの品質が高いものを選びたいと考えるのは当然です。
しかし、実際のところ、日本国内のガソリンスタンドで販売されているレギュラーガソリンやハイオクには、メーカーごとの違いがどれほどあるのでしょうか?
この記事では、ガソリンの品質は本当にスタンドごとに差があるのか、また「ガソリンの質ランキング」に意味があるのかを詳しく解説します。
さらに、燃費に影響を与える要因や、質の良いガソリンを選ぶためのポイントについてもご紹介します。信頼できるガソリン選びのヒントを知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
ガソリンの質ランキングより重要なポイントとは?
- ガソリンの質ランキングは無意味?本当に違いはあるのか
- ハイオクの質ランキングは?
- ガソリンはどこがいい?
ガソリンの質ランキングは無意味?本当に違いはあるのか

「ガソリンの質ランキング」という情報を目にすることがありますが、実はこれはあまり意味のない話です。
なぜなら、日本国内のガソリンは元売りメーカーごとに製油所・出荷基地(輸送所)があるものの、その出荷基地(輸送所)と提携する複数の元売りメーカーのタンクローリーが積み込みに訪れるからです。
私はタンクローリーのドライバーとして働いており、日々ガソリンを運んでいますが、出荷基地(輸送所)ではエネオス、出光、コスモ、JA(農協)など、さまざまなメーカーが同じ出荷基地(輸送所)のタンクからガソリンを積み込んでいるのが現状です。
そのため、特定の元売りメーカーのガソリンだけが特別に質が高い、ということはほとんどありません。
かつては元売りメーカーごとに違いがあったが…
数年前、昭和シェル石油がまだ日本に存在していた頃、同社の「V-POWER」や「ピューラ」などのハイオクは、他社と差別化されていました。そのため、メーカーごとにハイオクの積み込みが制限されていた時期もありました。
しかし、現在ではそのような区別はほとんどなく、ブランドを問わず同じ出荷基地から積み込むのが一般的になっています。
タンクローリーも、特定の元売りメーカーの看板をつけたものだけでなく、無地のタンクローリーが積み込みを行うことも珍しくありません。
ランキングをつけるなら「製油所・出荷基地(輸送所)ランキング」の方が有益
ガソリンの質は、元売りメーカーごとに大きな違いがあるわけではなく、どの製油所・出荷基地で生産・出荷されたかによって決まります。
そのため、ランキングをつけるのであれば、元売りメーカー別ではなく「製油所・出荷基地ランキング」の方が実態に即していると言えるでしょう。
例えば、日本には川崎、根岸、四日市など、主要な製油所・出荷基地が複数存在します。これらの設備や製油技術に違いがあれば、ガソリンの品質に影響を与える可能性もあります。
しかし実際のところ、元売りメーカー側も出荷基地ごとの差による品質の違いはほとんどないと考えています。そのため、どの基地で積み込まれても、ガソリンの品質はほぼ同じであると言えるでしょう。
したがって、「ガソリン質ランキング」よりも、「製油所・出荷基地ランキング」の方が、より実態に沿った評価となるでしょう。
ハイオクの質ランキングは?

「ハイオクの質ランキング」という話題を目にすることがありますが、現在では元売りメーカーごとの大きな違いはほとんどないと言えるでしょう。
かつては、一部の元売りメーカーが独自の添加剤を配合し、ハイオクを差別化していた時期もありました。しかし、近年ではそうした差別化の傾向が弱まり、各メーカーのハイオクの品質はほぼ均一化しています。
また、最近ではテレビCMなどでも、ハイオクを強くアピールする広告をほとんど見かけなくなりました。
以前は「洗浄効果が高い」「エンジン性能を向上させる」といったハイオクのメリットを強調する宣伝がありましたが、現在はレギュラーガソリンとの違いを前面に押し出すことは少なくなっています。
この背景には、前述のとおり、ハイオクもレギュラーガソリンと同じように出荷基地で積み込まれるため、元売りメーカーごとの差がほぼなくなっているという現状があります。
もちろん、細かい成分の違いや添加剤の配合量の差はあるかもしれませんが、一般のドライバーが体感できるほどの大きな違いはほとんどありません。
そのため、「ハイオクの質ランキング」を気にするよりも、信頼できるガソリンスタンドで給油することの方が重要だと言えるでしょう。
ガソリンはどこがいい?
「どのガソリンスタンドがいいのか?」という疑問を持つ人は多いかもしれません。しかし、前述のとおり、この問い自体にはあまり意味がないと考えます。
なぜなら、日本国内のガソリンは、基本的にどの出荷基地から供給されるかで決まり、メーカーによる大きな違いはほとんどないからです。
もし「どこのガソリンが良いか」を考えるなら、「どの出荷基地のガソリンが良いか」という視点になります。
しかし、各出荷基地は厳格な品質基準のもとで管理されており、全国どこでも一定の品質を満たしたガソリンが供給されているはずです。そのため、基本的にはどこで給油してもガソリンの質に差はないと考えられます。
避けた方がよいガソリンスタンド
とはいえ、どのスタンドでも同じ品質が維持されるとは限りません。
あえて言うなら、かなり古いスタンドで、タンクローリーの配送頻度が極端に少ないガソリンスタンドは避けた方がよいかもしれません。
これは営業妨害をするつもりではなく、実際の経験から言えることです。
ガソリンは地下タンクに保管されていますが、タンクが老朽化すると、長年の使用によって蓄積された不純物が底に溜まっている可能性があります。
そのため、タンクローリーの補充が長期間行われていないガソリンスタンドでは、必ずしも良質なガソリンが供給されているとは言えません。
しかし、たとえ古いガソリンスタンドであっても、定期的に給油が行われていれば、新しいガソリンが供給されるため、品質は一定に保たれるでしょう。
実際に、閉店したガソリンスタンドのガソリンを回収作業した際、ガソリンがかなり濁っていたことがありました。
出荷基地からタンクローリーに積み込んだばかりのガソリンと比べると、その透明度には大きな違いがありました。
こうした点を考慮すると、定期的にタンクローリーが来てガソリンを補充しているスタンドを選ぶことが、質の良い燃料を確保するうえで重要と言えるでしょう。
ガソリンの質ランキングより大切なスタンド選びの基準
- レギュラーガソリンの品質比較について
- 安いガソリンと高いガソリンの違い
- ガソリンスタンドによって燃費は変わるのか?
レギュラーガソリンの品質比較について

レギュラーガソリンの品質を比較する場合、元売りメーカーごとの違いはほとんどないと言えるでしょう。
なぜなら、日本国内のガソリンは元売りメーカーごとに製油所・出荷基地を持っているものの、その出荷基地には提携する複数のメーカーのタンクローリーが積み込みに訪れ、基本的な品質基準も統一されているためです。
つまり、どのメーカーのガソリンであっても、供給元が同じである以上、大きな品質の差は生じにくいのが現状です。
もしガソリンの質を比較するのであれば、元売りメーカーではなく給油環境に着目するべきでしょう。
前述のとおり、営業妨害になる可能性があるため慎重に言及しますが、古いガソリンスタンドで給油量が少ない店舗では、ガソリンの質が劣化している恐れがあります。
なぜなら、ガソリンは地下タンクに保管されており、タンクが老朽化すると、長年の使用によって蓄積された不純物が底に溜まっている可能性があるためです。
とはいえ、地方の小規模なガソリンスタンドは、地域にとって欠かせない存在であり、それ以外に給油の選択肢がない場合もあるでしょう。
加えて、日本のガソリンは厳しい品質基準を満たしているため、車に悪影響を及ぼすほど極端に質が悪いガソリンが供給されることはほとんどないと考えられます。
そのため、ガソリンの品質を気にするのであれば、できるだけ定期的にタンクローリーが補充に訪れ、利用者が多いガソリンスタンドを選ぶことが、安心して給油するためのポイントになるでしょう。
安いガソリンと高いガソリンの違い
安いガソリンと高いガソリンの違いは、主に仕入れ価格の差によるものです。ガソリンの質自体には大きな違いはなく、どのガソリンスタンドで給油しても基本的に同じ品質の燃料が供給されています。
特に、メーカーの看板がない無名のガソリンスタンドや個人経営のスタンドは、大手メーカーからではなく商社などを通じて直接ガソリンを仕入れることが多いため、メーカー経由よりも安く仕入れられるケースがあります。
また、タンクローリーの輸送コストも、メーカー専用の車両ではなく、看板のないタンクローリーを使用することで運賃を抑えられるというメリットがあります。
つまり、安いガソリンと高いガソリンの違いは、主に仕入れや物流コストの違いであり、質に差があるわけではありません。
販売価格の違いは、各スタンドの経営努力や価格競争の結果によるものだと言えるでしょう。
ガソリンスタンドによって燃費は変わるのか?
基本的に、ガソリンの質はどのスタンドでも同じであるため、燃費に大きな違いは生じないと考えられます。
しかし、私が数十年前に経験した出来事から、ガソリンスタンドの管理状況によっては品質に影響を与える可能性があることを感じたことがあります。
当時、私は個人経営のガソリンスタンドへ配送に伺いました。その時に訪れたスタンドでは、レギュラーガソリンの在庫が多いため、600Lほど地下タンクに入りきらず、余った分をハイオクのタンクに入れてほしいと依頼されました。
しかし、私はこの申し出を断りました。なぜなら、レギュラーガソリンをハイオクに混ぜてしまうと、燃料の品質に問題が生じるだけでなく、万が一この事実が発覚した際に私自身にも責任が及ぶ可能性があると考えたためです。
結局、そのスタンドでは余ったガソリンの処理方法を別途考えることになりましたが、この出来事を通じて、ガソリンの品質管理が適切に行われていないスタンドが存在する可能性を改めて認識しました。
ガソリンスタンドによる燃費の違いは基本的にないものの、管理体制によっては品質に影響を与える可能性があるため、信頼できるスタンドを選ぶことが重要だと考えます。
とはいえ、信頼できるスタンドを見極めるのは難しいのが現実です。そのため、実際に給油した際に違和感を覚えた場合は、そのスタンドを避けるようにするのが最善の対策かもしれません。
ガソリンの質ランキングより重要な給油スタンド選びとは:まとめ
「ガソリンの質ランキング」はよく話題になりますが、実際にはメーカーごとの品質差はほとんどないことが分かりました。
また、信頼できるガソリンスタンドを選ぶことが、質の良い燃料を確保するための重要なポイントです。
さらに、ハイオクとレギュラーガソリンの違いや、燃費への影響についても、実際には大きな差がないことが分かりました。ガソリン選びで迷うよりも、定期的に給油されているスタンドを選ぶことが、安心につながります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
関連リンク:東亜石油株式会社