
こんにちは。目指せ!タンクローリーへようこそ。
ガソリンや灯油を運ぶタンクローリーに魅力を感じ、この業界を目指す方に向けて、必要な知識や情報をわかりやすく整理してお届けします。
さて、生活に欠かせない燃料を扱うために必須となるのが危険物取扱者の資格ですが、特に危険物乙4でできることの範囲が気になっている方は多いのではないでしょうか。
ガソリンスタンドや配送の現場で具体的にどんな仕事が許されるのか、また試験の難易度や合格率、
さらには仕事に就いた後の年収や仕事内容まで、知っておきたいことは山積みですよね。
この記事では、乙4を取得することで広がる可能性や実務上のルールについて詳しく解説していきます。
危険物乙4でできることと免状の法的権限
まずは、法律上のルールとして、乙4を持つことで「誰が」「何を」できるのか、その核心部分から見ていきましょう。
第4類危険物の一覧と指定数量の基礎知識

危険物乙4が対象とするのは、消防法で定められた「第4類危険物」です。
これはいわゆる引火性液体のことで、私たちの身の回りにあるガソリン、灯油、軽油、重油、さらにはアルコール類などが含まれます。
主な第4類危険物と分類
| 分類 | 代表例 | 指定数量 |
|---|---|---|
| 特殊引火物 | ジエチルエーテル、二硫化炭素 | 50L |
| 第1石油類 | ガソリン、ベンゼン | 200L |
| アルコール類 | エタノール、メタノール | 400L |
| 第2石油類 | 灯油、軽油 | 1,000L |
| 第3石油類 | 重油 | 2,000L |
ここで重要なのが「指定数量」という考え方です。この数量以上の危険物を扱う施設では、必ず有資格者が必要になります。
逆に言えば、乙4を持っていれば、これらの液体燃料をビジネスとして大量に扱う場所で働く「パスポート」を手に入れたことになります。
資格なしの作業に立ち会い監督する役割

乙4の大きな特徴の一つに「立会い権限」があります。
これは、資格を持っていない人が危険物を扱う際に、そばにいて安全を確認し、指示を出すことができるというものです。
例えば、ガソリンスタンドでアルバイトをしている無資格のスタッフが給油作業を行う場合、乙4(または甲種)保持者が立ち会っていれば法的に問題ありません。
丙種危険物取扱者にはこの「立会い」が認められていないため、現場でのリーダー的な役割を果たすなら、乙4以上の免状が必須となるわけです。
タンクローリーでの移送と免状携帯の義務

タンクローリーの仕事では、乙4がさらに重要な意味を持ちます。
危険物を積んだローリーを走らせることを「移送」と言いますが、このとき運転手自身が危険物取扱者であるか、あるいは有資格者が同乗していなければなりません。
免状携帯のルール
通常の施設内での作業とは異なり、タンクローリーでの移送中は必ず「危険物取扱者免状」を携帯していなければなりません。
不携帯で運転すると罰則の対象になるため、ドライバーにとっては免許証と同じくらい大切なものです。
実務経験で危険物保安監督者へ選任される道

乙4を取得してすぐにはなれませんが、将来的に目指せるのが「危険物保安監督者」というポジションです。
これは、製造所・貯蔵所・取扱所における危険物の取扱作業に関して保安の監督を行う責任者です。
選任されるための条件として、「甲種または乙種の免状を持っていること」に加えて、
「6か月以上の危険物取扱いの実務経験」が必要になります(乙種の場合は、原則として自分が取り扱い/立会いできる類の危険物の経験)。
また、実務経験は免状取得後に限られず、免状取得前でも有資格者の立会いを受けて取り扱っていた経験を含めて差し支えありません。
保安監督者になると、予防規程の遵守や点検の実施など、責任ある仕事を任されるようになり、組織内での信頼も一気に高まります。
セルフガソリンスタンドでの監視と給油許可

最近主流のセルフガソリンスタンド。
実はお客さんが自分でノズルを持って給油できるのは、事務所の中にいる乙4保持者がモニターで監視し、リモコンで「給油許可」のボタンを押しているからなんです。
法的には「お客さん(無資格者)の取扱いに、有資格者が立ち会っている」という解釈になります。
この監視業務ができるのも乙4の特権。雨の日や寒い日でも室内での監視業務が中心となるため、体力的にも長く続けやすい仕事として人気があるようです。
危険物乙4でできることによる年収や仕事の幅
資格を取った後のリアルな待遇や、実際にどんな業界で求められているのか。
せっかく苦労して勉強するなら、リターンがどれくらいあるのか気になりますよね。
ガソリンスタンド求人で優遇される理由
ガソリンスタンド、特にセルフスタンドの運営には、法律で定められた人数の有資格者を常駐させる必要があります。
そのため、乙4を持っているだけで採用率がぐんと上がり、時給や基本給に「資格手当」が加算されるのが一般的です。
手当の相場は月額3,000円から10,000円程度が多いようですが、夜間責任者などを任されるようになると、さらに手厚い待遇が期待できます。
未経験からスタートするなら、まずはここで実務経験を積むのが王道ルートかもしれません。
タンクローリー運転手の年収への好影響

運送業界において、大型免許と乙4の組み合わせは最強のコンビネーションの一つです。
一般的な配送ドライバーに比べて、危険物輸送は専門性が高いため、年収も高めに設定される傾向があります。
年収の目安
地域や会社にもよりますが、大型タンクローリーのドライバーになると、年収450万円〜700万円以上を狙えるケースも珍しくありません。
一介の興味から始まったとしても、この数字を見ると夢が広がりますね。
ビルメンテナンス業界で重宝される仕事内容

意外なところでは、ビル管理(ビルメンテナンス)の世界でも乙4は大活躍します。
大きなビルや病院には、停電時に備えた非常用発電機があり、その燃料として大量の軽油や重油を貯蔵しているからです。
これらの燃料の補給管理や点検を行うために、乙4保持者が求められます。
「ビルメン4点セット」と呼ばれる主要資格の一つにも数えられており、定年後の再就職先としても非常に安定している業界だと言えます。
化学工場や製造業の現場で活かせる実務
燃料以外にも、塗料や溶剤、洗浄剤などを大量に使う工場では乙4の知識が不可欠です。
危険物の受入れ作業や、保管倉庫の管理、廃棄物の処理など、安全なオペレーションを維持するために有資格者が現場を支えています。
最近では電気自動車(EV)のリチウムイオン電池製造工場などでも、電解液の管理のために乙4の需要が高まっているという話も耳にします。
まさに時代の変化に合わせて活躍の場が広がっている資格ですね。
3年ごとの保安講習と免状の写真書換え手続

危険物取扱の作業に従事している場合は、原則として、免状の交付日または講習受講日以後の最初の4月1日から3年以内ごとに「保安講習」を受ける義務があります。
また、危険物の取扱作業に従事していなかった方が新たに(または再び)従事する場合は、原則として従事開始日から1年以内に受講が必要です。
(ただし、従事開始日前2年以内に免状交付または講習受講がある場合は、上記の「4月1日起算・3年以内」になります)
これに加えて免状の写真は10年ごとに書換えが必要です。
講習を受けないまま期限を過ぎると、状況により免状の返納を命じられることもあるため注意が必要です。
ただし、有資格者であっても実際に危険物の取扱作業に従事していない期間は、講習を受ける義務はありません。
難易度や合格率から見る効率的な勉強法

乙4の合格率は例年30%〜40%前後で推移しています。
「意外と低いな」と感じるかもしれませんが、これは受験者数が非常に多く、無対策で受ける層も一定数いるためだと言われています。
物理や化学の基礎から法令まで範囲は広いですが、過去問を繰り返し解くことで十分に独学合格が狙えるレベルです。
特に、ガソリンや灯油の性質など、私たちの生活に身近な部分から興味を持って学習を始めると、理解がスムーズに進むかなと思います。
資格を活かせる危険物乙4でできることのまとめ

ここまで見てきたように、危険物乙4でできることは単なる作業にとどまらず、現場の安全を守る監督者としての役割や、
キャリアアップの土台となる非常に価値の高いものです。
ガソリンスタンドから大型タンクローリー、ビル管理まで、この資格一つで挑戦できるフィールドは驚くほど多岐にわたります。
「いつかはあの大きなローリーを動かしたい」という夢を持っている人にとって、乙4は間違いなく最強の武器になるはずです。
ただし、記載した年収や手当の額はあくまで一般的な目安であり、実際の条件は勤務先や地域によって異なります。
また、法改正などによりルールが変わることもあるため、最新の情報は必ず消防試験研究センターなどの公式サイトを確認するようにしてくださいね。
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